映画 南京の基督 Blu-ray BOX 富田靖子 レオン・カーフェイ出演 [Blu-ray]
『南京の基督』(ナンキンのキリスト)(英題:The Christ Of Nanking)は、芥川龍之介の短編小説。中国の南京を舞台にしたキリスト教信者の少女娼婦の物語。梅毒に侵され、客をとるのを止めていた少女・金花の前に現れたキリスト似の外国人との一夜の出来事と、その後の金花と日本人旅行家との対話が描かれている。
中国人の少女を演じた富田靖子が、東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したラブロマンス。『月夜の願い』のレオン・カーフェイが日本人役を演じている。
1995年に制作された、アミューズと香港のゴールデン・ハーベスト提携作品。芥川龍之介の『南京の基督』をベースに、彼の自殺直前の心象風景を描いた『歯車』を加えたオリジナル・ストーリー。日本人である富田靖子が中国人の娼婦、宋金花を演じ、香港の俳優レオン・カーフェイが芥川龍之介をモデルにした日本人作家、岡川龍一郎を演じた。この作品で宋金花を演じた富田靖子が第8回東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。
舞台設定は原作と同じ南京で、主人公も原作と同じ宋金花だが、芥川龍之介をモデルにした日本人作家・岡川が金花と出会い、恋に落ちるという設定。よって、原作のようにキリスト似の男に奇跡を感じるというシーンはない。映画では、金花の病気は治らず、岡川は日本に帰国後に自殺するという重苦しい内容になっている。
<キャスト>
岡川龍一郎:レオン・カーフェイ(梁家輝)
宋金花:富田靖子
岡川の妻:中村久美
藕香院の主人:ラウ・シュン
譚永年:トォオ・ツォンホウ
山茶:ジェシカ・チャウ
キリスト:マーク・カスバーグ
<スタッフ>
原作:芥川龍之介 『南京の基督』 『歯車』
監督:トニー・オウ
脚本:ジョイス・チャン
脚本協力:楠本浩美
音楽:梅林茂
サンポーニャ演奏:瀬木貴将
ストリングス編曲:柏木広樹
撮影:ビル・ウォン
美術:エディ・マー、西村薫
製作協力:東映京都撮影所、俳協
日本語字幕翻訳:戸田奈津子
芥川龍之介の小説を翻案した日本=香港合作映画。主演の2人、富田靖子は中国人娼婦、レオン・カーフェイは日本人の作家と、それぞれが立場を逆転させた役に扮し、2つの国の看板俳優の共演以上に興味をそそる。一途にイエスを信じる純真な女と、厳しい現実に苦悩する男との愛を描いた物語はいささか甘めな印象もあるが、それを安手のメロ・ドラマにしていないのは繊細な映像の魅力だろう。監督はトニー・ホウ。ツイ・ハークやアン・ホイといった名匠のもとで、長いこと美術監督を務めてきた人物だ。特に柔らかな光があふれる場面には、ふっと吸い込まれてしまいそうな幻惑感が…。日本におけるサンポーニャ(南米のパン・フルート系楽器)の第一人者、瀬木貴将のうら哀しい演奏が、そんな美しい画面に彩りを添えている。